横手の人手不足を考えると、「外国人材を増やせばいい」という話が出てくる。

実際、横手市にはすでに外国籍住民が住んでおり、農業では外国人材の雇用や生活環境整備を市が補助する制度まである。

ただし、外国人材を人口減少の万能な解決策として扱うのは雑である。

まず現在どの程度の人数が暮らし、どこまで労働力として地域を支えているのかを分けて見る必要がある。

2026年3月末の外国籍住民は566人

横手市によると、2026年3月31日時点の外国籍人口は566人。

内訳は、

  • フィリピン 251人
  • ベトナム 85人
  • 中国 79人
  • インドネシア 28人
  • カンボジア 27人
  • ミャンマー 21人
  • 韓国・朝鮮 19人
  • その他16か国 56人

となっている。

同じ2026年3月末の横手市人口は78,175人。

外国籍住民は市人口の1%未満である。

この566人を「外国人労働者数」と読むことはできない。

子ども、家族、留学生、無職者なども含み得るため、居住人口と労働力人口は分ける必要がある。

横手市全体の外国人労働者数は、現時点でこの記事では確定しない

外国籍住民数は確認できる。

しかし、2026年時点で横手市内の事業所に何人の外国人労働者が働いているかについて、この記事で使える同時点・市単位の公的統計は確認できていない。

したがって、

横手では外国人が何百人働いている

とは書かない。

今後、ハローワーク、厚生労働省の外国人雇用状況届出、県・市の事業者調査などから市内実数を取れるか確認する。

農業では、すでに市が外国人材活用を支援している

横手市の農業人材確保事業費補助金は、人手不足への対応として外国人材を活用する農業者等を支援している。

補助対象には、外国人材の新規雇用・増員に伴う費用だけでなく、

  • 住宅の取得・改修
  • エアコンやボイラー等の設備
  • Wi-Fi等の通信環境整備

まで含まれる。

ここが重要である。

外国人材を採用するには、求人を出すだけでは足りない。

横手で生活できる住宅、暖房、通信、移動、言語支援まで必要になる。

人手不足を埋めるには「働く場所」より「暮らせる場所」が必要

地方企業が外国人材を採用する場合、採用後の生活基盤が企業側の課題になりやすい。

横手で考えるなら、

  • 冬を過ごせる住宅
  • 暖房費
  • 車を運転できない場合の通勤
  • 買い物
  • 医療
  • 日本語
  • 行政手続き

まで含めて設計する必要がある。

外国人材の住宅やWi-Fi整備を補助対象にしていること自体、市も労働力確保と生活環境を一体で考えていることを示している。

地場経営者にとっては、採用コストだけでなく定着コストを見る

外国人材を採用できても、短期間で離職・転出すれば人手不足は解消しない。

見るべきなのは、

  • 採用費
  • 住居費
  • 生活支援
  • 日本語支援
  • 通勤手段
  • 現場教育
  • 在留資格手続き
  • 相談体制

である。

また、特定の外国人従業員だけに生活支援や通訳を集中すると、社内の一部社員へ負担が偏る可能性もある。

人事制度として持続できるかを見る必要がある。

市は多文化共生の生活支援も持っている

横手市は日本語教室、119番通報の多言語通訳、外国人相談窓口などを案内している。

外国人住民が増えれば、行政サービス側にも、

  • 多言語対応
  • 防災
  • 医療
  • 教育
  • ごみ出し
  • 住宅
  • 相談

など新しい運用が必要になる。

人手不足を補う人が増える一方で、その人たちが地域住民として生活するための行政・地域対応も増える。

これは追加コストではあるが、当然の生活基盤でもある。

地元就職者にとっては、同僚の構成が変わる話

外国人材の増加は、外国人だけの話ではない。

地元で働く日本人にとっても、

  • 教え方
  • マニュアル
  • 安全教育
  • コミュニケーション
  • シフト
  • 寮・住宅管理

など仕事のやり方が変わる可能性がある。

特に建設、農業、製造、介護など人手不足が強い業種では、多国籍な職場を前提とする企業が増える可能性がある。

その場合、「日本語が通じる前提で口頭指示する」現場は維持しにくくなる。

手順書、写真、翻訳、安全表示などを整える必要がある。

これは結果的に日本人新人への教育品質改善にもつながり得る。

外国人材は「人口を元に戻す」ための人数ではない

社人研推計では横手市人口は2050年47,879人、2070年28,508人とされている。

現在の外国籍住民566人という規模から見れば、外国人住民だけで人口減少分を埋めるという議論は現実的ではない。

しかも、外国人住民自身も横手へ永住するとは限らない。

日本国内の他地域、母国、別の国へ移る選択肢がある。

したがって外国人材政策を見るときは、

人口減少を止めるか

より、

足りない仕事を誰が担い、その人が横手で暮らし続けられる条件を作れるか

を見る方がいい。

人手不足業種ほど、外国人材との競争ではなく共働になる

地元の若者から見れば、「外国人に仕事を取られる」という見方もあり得る。

しかし横手の現状では、建設、農業、介護などで担い手不足そのものが問題になっている。

需要が残るのに働く人が足りない分野では、外国人材は既存労働者との代替だけではなく、事業を維持するための補完になり得る。

一方、外国人材を低賃金労働力としてだけ使えば、待遇改善や省人化を遅らせる可能性もある。

経営者が見るべきなのは国籍ではなく、

  • 生産性
  • 賃金
  • 教育
  • 安全
  • 定着率
  • キャリア

である。

2050年に見るべき数字

今後このサイトでは、可能なら次を追いたい。

  • 外国籍住民数
  • 年齢構成
  • 国籍構成
  • 在留資格
  • 外国人労働者数
  • 業種別人数
  • 外国人材受入企業数
  • 定着年数
  • 日本語学習支援利用者
  • 住宅・通勤支援

566人という現在値だけでは、外国人材が横手の担い手構造をどう変えているかは分からない。

時系列で追う必要がある。

横手の未来は「日本人だけで今の仕事を維持する」前提でもない

人口減少下では、

  • 仕事を減らす
  • 仕事を自動化する
  • 企業を集約する
  • 市外から通勤する
  • 外国人材が担う

といった複数の方法が同時に進む可能性がある。

外国人材だけを特別な答えとして扱わない。

横手で必要な仕事と、それを担う人の構成がどう変わるかの一部として追う。

Sources

  • yokote-foreign-population-r8: 横手市「横手市の外国籍人口」
  • yokote-foreign-worker-agriculture-support-r7: 横手市「農業人材確保事業費補助金」
  • yokote-foreign-worker-support-center-r7: 横手市「秋田県外国人材受入サポートセンター」
  • yokote-multicultural-index-r8: 横手市「国際交流・多文化共生」
  • yokote-foreign-consultation-r8: 横手市「外国人相談センター」
  • yokote-population-history: 横手市「横手市の人口(過去データ)」