横手で家や事業所の場所を考えるとき、「洪水ハザードを見た」だけでは水害条件を確認し切れない。

横手市は2026年7月17日、雨水出水、いわゆる内水氾濫の浸水想定区域図を公表した。

これは河川から水があふれる洪水とは別の想定である。

短時間に大量の雨が降り、下水道や水路などで排水しきれなくなった雨水が地表にたまる場合を扱う。

2026年7月に、内水の浸水想定区域図が公表された

横手市が公表した雨水出水浸水想定区域図は、想定最大規模の降雨として1時間150mmを前提にしている。

市は、この降雨を約1000年に1回程度を想定する規模として説明している。

日常的な大雨のたびに図のとおり浸水するという意味ではない。一方で、極端な降雨時にどこへ水がたまり得るかを考える材料になる。

公表図は少なくとも次の2資料に分かれている。

  • 横手地域: 縮尺1:10,000
  • 平鹿・十文字・増田地域: 縮尺1:15,000

このサイトでは、公式PDFの浸水overlayを分離して地図へ位置合わせした参考rasterも用意している。ただし、これは横手市が公開した公式geometryではない。

個別の敷地や建物の浸水深を、この参考rasterだけから判定しない。

内水と河川洪水は、同じ「水害」でも発生の仕組みが違う

住む場所を考えるときは、少なくとも内水と河川洪水を分けて見る必要がある。

見るもの内水河川洪水
主な仕組み下水道・水路などで雨水を排水しきれない河川の水位上昇などにより河川から水があふれる
横手で確認する主資料横手市の雨水出水浸水想定区域図河川管理者・横手市の資料、重ねるハザードマップ等
このサイトの地図公式PDFを位置合わせした参考raster国土地理院の公式配信タイル
一方だけ見れば十分か十分ではない十分ではない

河川から離れていることと、内水の影響を受けにくいことは同じではない。

逆に、内水浸水想定図だけを見ても河川洪水の条件は分からない。

そのため、「洪水レイヤーに色がないから水害リスクは確認済み」「内水図に色がないから安全」とは扱わない。

区域外でも浸水する可能性がある

横手市は、雨水出水浸水想定区域図について、指定された区域の外でも浸水が発生する可能性があると注意している。

これは地図を読む上で重要な制約になる。

浸水想定図は、安全な場所と危険な場所を完全に二分する地図ではない。

想定に使う降雨条件、排水施設、地形、データの精度などに基づくシミュレーションであり、実際の雨の降り方や施設の状態によって結果は変わり得る。

住宅候補地を見る場合も、区域内外だけで結論を出さず、公式図、現地の高低差、周辺道路、避難経路などへ戻る必要がある。

住宅選びでは、誘導区域や用途地域と別の軸になる

横手市では、人口減少を前提に居住誘導区域や都市機能誘導区域を設定し、2022年には防災指針を含む立地適正化計画の見直しも行っている。

しかし、行政が居住を誘導する区域であることと、個別地点の水害条件が良いことは同じではない。

住む場所を長期で考えるなら、少なくとも次を別々に確認した方がよい。

  • 居住誘導区域など、行政が将来どこへ生活機能を寄せようとしているか
  • 用途地域など、土地利用上どのような区域か
  • 河川洪水の浸水想定
  • 内水の浸水想定
  • 医療、交通、上下水道、除雪などの日常生活条件

一枚の地図で総合点を出すのではなく、条件を分けて重ねる方が誤解が少ない。

地図では河川洪水と内水を同時に表示できる

このサイトの地図では、河川洪水の浸水想定と内水浸水想定を別レイヤーとして表示できる。

河川洪水は国土地理院「重ねるハザードマップ」の洪水浸水想定区域(想定最大規模)の配信を参照する。

内水は、横手市の公式PDFから浸水overlayを分離し、当サイトで位置合わせした表示用rasterである。位置は数十m級の参考位置として扱い、公式geometryや測量成果とは扱わない。

地図上で重ねる目的は、個別住宅の安全性を自動判定することではない。

「同じ場所について、河川洪水と内水という別の条件を確認する必要がある」と気づくための入口として使う。

最終的な確認では、横手市が公表する公式PDFや各河川の洪水ハザード情報へ戻る。

Sources

  • yokote-inland-water-hazard-2026: 横手市「雨水出水浸水想定区域図を公表します」
  • yokote-inland-water-hazard-yokote-map-2026: 横手市「雨水出水浸水想定区域図(横手地域)」
  • yokote-inland-water-hazard-hiraka-jumonji-masuda-map-2026: 横手市「雨水出水浸水想定区域図(平鹿・十文字・増田地域)」
  • gsi-hazardmap-flood-l2-tile: 国土地理院「重ねるハザードマップ 洪水浸水想定区域(想定最大規模)オープンデータ配信」